農ライフ

農業についてや会社についてやたまに自分のことを書きます

現場に行って分かった農家さんの課題感

独立して約1ヶ月たちます。

 

当初このブログも気合を入れて週1で更新しようと思っていましたがついつい更新を怠り前回ブログを書いて1ヶ月くらいたってしまったのでこの際このブログは月1更新するものとする!というルールに勝手に変更しようと思います。

 

この1ヶ月は農ホリをしっかりサービスとして整える1ヶ月で、自分自身農家さんのところに行って農作業を結構やりような毎日でしたが、ありがたいことに色々な方からのご支援もあり、農ホリも少しずつですが会員さんも増え、農家さんも増えてきました。

 

本当にありがたいなと思うのが過去何らかのかたちでお付き合いさせて頂いた方に色々と支援をしていただきました。特に農家さん!農家さんも本当に温かい方ばかりです。

たぶん農業に携わっている人に悪い人はいないんじゃないかと思うくらい良い人ばかりで、結婚するなら農家出身の人と結婚したら絶対に大切にしてくれるだろうと勝手に思っています。

 

それで農家さんって本当にずっと働いているんですね。

自分も前職はベンチャー企業にいたので働く量で言えば結構負けていない感あったんですけど農家さんもすごい働いているんです。

雨が降らない限り休みがないという農家さんもいれば、朝4時から作業を開始している農家さんもいて本当に頭がさがります。

そして農業に対するこだわりや技術もすごくて、動き1つ、ただモノを動かすだけでも体の使い方が全然違ったり、摘果もよくよく見ないと見分けのつかないわずかな差を一瞬で見分けたりと本当にすごいです。

 

そこで思うのが農家さんのこうした働きぶりや技術力の高さとかが実はあまり知られていないし、むしろ「農家さんって田舎でのんびり悠々自適ですよね。憧れます」みたいな誤解までされていて、いやいやいやいやそれは違うし、勘違いだし、むしろそんな農家さんが尊敬されたり、憧れられたりしていない今の状況というものにもどかしさを覚えています。

 

今回はここまで農家さんと色々話をしてきたり、実際に農家さんのところに行ったりして得た「現場感」から分かったことから少しでも農業に興味のある人に向けて【農家さんの課題感】的なものを少しまとめてみようと思います。

 

 農家さんの課題

①農業と農家の課題は違う

農業の課題というとだいたい「TPP」「耕作放棄地」「残留農薬」「放射線」・・・とか色々課題が山積されていますし、ニュースや新聞でもこの辺については結構取り上げられているのでなんとなくイメージできると思います。

 

それなのでこの農業の課題を解決しよう!というのはあるべき姿というか、自分自身もそこをテーマに起業しているので完全にAgreeなのですが、実際農家さんに話を聞きに行くと実はこの課題よりももっと重要な課題があります。

 

それは「人手不足」です。どこの農家さんに行ってもこの課題は絶対にできていて、TPPで関税云々の前に目の前にある農作業をどうやりぬくか?これが最大の課題になっています。

それなのでもちろん今後の農業をより良い産業にするために、

・海外作物に負けないように、逆に海外への輸出販路を整備しよう

・農業の流通の仕組みを変えよう

・新しい技術を導入して安定生産できるようにしよう

と新しいアイデアや新規参入のプレイヤーが出てくることは絶対良いことだと思いますし、我々Educoもそういった会社の1つです。ただこれは農業界の課題解決で必ずしも農家さんの課題解決と一致するばかりではないよ?ということは念頭に置いておく必要があると思います。それなので農業界の主体はなんといっても農家さんですから、農家さんの課題感を無視することはできないですし、そうあってはならないと感じています。

 

②「人手不足」は大きな課題

先ほど触れた人手不足ですが、この問題に少しフォーカスしてみます。

 

少し背景から話をすると、農業には忙しい時期と、比較的忙しくない端境期というものがあります。要は忙しい時期は猫の手も借りたいくらいの忙しさだが、端境期は自分だけでなんとかなるというように単純に必要なマンパワーに相当の差があるというものです。

もちろんハウス栽培とか多品種栽培でうまくやれば通年忙しいということもあるのですが、単品目でやられている農家さんにこの傾向は強くあります。

 

そういった背景があって通年して人を雇用することが難しいということがあります。

そのため忙しい時期だけピンポイントで人を雇用しようと思って募集をかけますが、地域ごとに作物が似ているため地域間でアルバイトの取り合いとかになって結局アルバイト募集も難しいという感じです。

 

そこで出てくるのがシルバーボランティアとかシルバー人材です。

この前農家さんから「そりゃそうだよね!」と思う話を聞いたのですが、

「いつも来てくれていたシルバーさんが今年は腰が痛くて来れないみたい・・・」と!確かに!農家さんも年を取ればシルバーさんだって年取って無理になりますよね・・・とかシルバーさんも定年退職まで普通にサラリーマンをやっていた方が多く、プライドもあるので農家さんに指示されるのに腹が立って、喧嘩して・・・ということも聞きました。(これは個別に聞いた話なので全てがそうではなく、一部の話でしょうけど)

 

そういったこともありなんやかんや人出が足りないという状況があります。だから農家さんは休み無しで朝早くから夜遅くまで働かれるんですよね。

 

③昼めっちゃ営業来る

農家さんは朝から晩まで仕事して、昼もかき込むように食べて畑に戻る・・・なんて生活をしている農家さんもいますが、そのお昼を狙って色んな会社が営業に来ます。お願いだからお昼は静かに食べさせて!というのが本音だと思います。

 

④海に行ってないのに焼ける

毎日外で農作業をしているとやっぱり肌が焼けます。私も農ホリに週末行くのですがこの時期では早いくらいに腕が黒くなり、このブログを書いている今も左腕の肘あたりの皮がボロボロむけています。そのため「陸上サーファー」と呼ばれることもあるそうです。

 

 

ここまでざっと現場で出てくる課題感的なものを簡単にまとめたのですが、結局何が言いたいかというと、農業の課題と農家さんの課題って少し違っていて、机上で集めたデータとか分析を元に農家さんにこうしましょう!そうしましょう!というよりも先ずは畑に行って現場を知ることのほうがよっぽど大切ですし、是非そんな現場を知ってもらいたいなと思っています。ただ、とは言えお昼は貴重な時間ですので無理に行かない、電話しないというのも大事です。

 

ここまで現場の課題感ばかり言ってきましたが、農家ってすごく魅力的な職業だと思います。今までコンタクトしてきた農家さんが素敵だったというのもあるかもしれませんがすごく格好良いなというのを思っていて、今度ブログを書くときは農家さんの格好良い面とかをまとめたいなと思います。

(月1更新をルールにしたので6月くらいになるかと・・・)